夏の日射対策『日射遮蔽』
高断熱・高気密住宅を手掛けているスギケンです。
本日は『日射』を家になるべく入れないようにするには?のお話を致します。
最初にこの資料をご覧ください。
この写真は7月27日に去年新築させていただきました、あきる野市OB様の日射状況です。
時間は10時56分、ここから暑くなる時間帯にて写真を撮りました。
この写真で解るのが2階の窓には一切陽が当たっていないという事です。
これは設計時にこのような計画をしていたからです。
これはOB様宅のパースなのですが、図面作成時に日射がどのように当たるかを検証しておりました。
写真の影に合わせたら、日時7月27日 11時11分で同じような影の位置になりました。
15分ほどズレてはいますが、この位の誤差であればOKと思います(自己判断ですみません)
このように『夏の日差し』は極力入れないような『日射遮蔽』の計画をすることによって
『エアコン』の効きはかなり変わってきます。
なぜかというとこういう事です。
今回は太陽の角度のお話は資料上部にて確認していただき、資料下記部分を見てください。
これは東京での方位による夏の日射量(1mX1m=1㎡あたりの)を表しております。
先ほどの11時頃では1㎡に300W~ほどの熱が当たっている事になります。
もしこの家の2階南サッシから陽が入っていると、
①5.5㎡(南側サッシ開口の合計)X 300W = 1650Wの熱料
②1650W X 0.5(ペアガラスの日射遮蔽値) = 825W(5.5㎡から宅内に入ってくる熱料合計)
こたつ1台が600W~ほどなので、夏の時期にエアコンで冷やしながらこたつの熱を入れているという
状態になってしまいます。これでは『電気代』が無駄に掛かってしまいます。
では実際にどのように計画するか?
まずは夏の日射を下記にて確認。
ここで東西南と出てきましたが、次に考える(確認)ことは『現地の状況』です。
教科書では東と西に気を付けろとありますが、近隣の状況により日射も変わってきます。
大事なのは「現場状況に合わせた計画」をすることです。
この資料の家では東側に建物が建っており日射の事はあまり気にせずに済みました。
西側のサッシは最低限の大きさにて2窓のみ設置。
そして南側は写真の通り4窓設置し、日射遮蔽できるように設計しました。
日射遮蔽の計画は大変大事な事なのですが、高断熱・高気密住宅をしていると性能におぼれて
ついついこのような計画をしっかりしない家が目につきます。
では最後にこの資料。
この資料を見ればご理解できると思います。あとは実際の現場など体感できるところに行って
確認することをお勧めします。
と言う事で『夏の日射遮蔽』のお話でしたが・・・
夏があるなら冬もある⁉
寒くなったら『冬の日射取得』についてお話させていただきます。
本日のお話はここまで、長々とすみませんでしたm(__)m